2019年1月15日 (火)

クリスマスをとりもどせ!

51qxfksqqnl__sx338_bo1204203200_ 絵本が続いたので、少し読み物を。イギリスの子供向けクリスマスファンタジー『クリスマスをとりもどせ (2018年、西村書店)

 2016年の『クリスマスとよばれた男の子 』、2017年の『クリスマスを救った女の子 』に続く、マット・ヘイグ文、クリス・モルド絵、杉本詠美訳のトリオによる第3作。2018年の新刊児童文学。

サンタクロースが銀行強盗!? 今度の敵はイースター・バニー!
ファーザー・クリスマスのおかげで救貧院から脱出した雨リア。いっしょにエルフの村でく暮らせることになったものの、人間の女の子が生きていくのはたいへんだったエルフの勉強はまったくわからないし、そりの操縦でも大失敗。すっかり落ち込んで家でした雨リアは、森の真ん中で大きな穴をみつける。その下ではクリスマスを阻止する計画が着々と進めれれていた……。“クリスマスは世界を救う”シリーズ最新刊!

 第1作の『クリスマスとよばれた男の子』は世界22か国で刊行され、現在は映画化が進行中という。映画「ハリー・ポッター」シリーズが終わった今、格好のファンタジー映画となるだろう。そして第1作の映画化の結果によって、この第3作まで映画化されるかもしれない。

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2019年1月14日 (月)

クリスマスのおかいもの

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このブログは1年中クリスマスなので、クリスマスシーズンが終わってもlまだまだ古今のクリスマス本のご紹介が続きます。

 2018年のクリスマスシーズンの新刊絵本 『クリスマスのおかいもの (ほるぷ出版)。

もうすぐクリスマス。まちにプレゼントをかいにやってきたノアとぞうのオリバー。おじいちゃんやおばあちゃんたちへのプレゼントをママといっしょにえらんでいたのですが、さいごはクタクタになっちゃった…。おかいものってもうたいへん!にっこり、ほっこり。読み聞かせにぴったりの絵本です。

 この絵本が日本でのデビュー作となった文のルー・ピーコックも、絵のヘレン・スティーヴンズ(こちらは、2016年に『ミミとまいごの赤ちゃんドラゴン 』をご紹介している)も、二人ともイギリスの絵本作家だが、この絵本は日本のクリスマスシーンを描いているような親しみを覚える。

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2019年1月 6日 (日)

クリスマスイヴの木

61ftozdcytl__sx432_bo1204203200_ 新年あけましておめでとうございます。

 1年中クリスマスの当ブログ。2019年の第1冊は、やはりこの絵本のご紹介を……。というのも、2017年に『テオのふしぎなクリスマス 』の作者エミリー・サットンの絵に惚れ込んだ私。この絵本もご紹介しようと、長文を書いたのに、なぜか保存されずに消滅。それがきっかけになってこのブログも放置状態になってしまいました。スミマセンm(_ _)m
 さらに、2018年のクリスマスの夜、気を取り直して再度書き始めたのですが、またまた本文が途中で消えてしまいました。懲りずに途中で保存しない自分が悪いのですが……。3度目の挑戦……ここで一時保存しておきますね!

デリア・ハディ文、エミリー・サットン絵、三原泉訳『クリスマスイヴの木 』(2015年、BL出版)

森からはこばれた、たくさんのモミの木は、クリスマスツリーになって、町のひろばや、いえにかざられます。クリスマスイヴ、すてられかけていたちいさなモミの木を手にしたのは、まずしい男の子でした。いつしかモミの木と男の子を中心に、人々の輪がひろがって…。そして、すてきなクリスマスがやってきます。

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2018年12月24日 (月)

The Night Before Christmas

51merlsakul__sclzzzzzzz__sy500_sx_2 毎年、クリスマスイブにはアメリカのクレメントC.ムーアの詩による「The Night Before Christmasu」をご紹介しているが、昨年あたりから、邦訳の新刊を私の知る限り見なくなってしまった。洋書版でも、古い絵本の電子書籍版はたくさん刊行されているが、新刊は少ない。その中で、自分好みの絵本となると、ほとんどない。

 そんな中でやっと見つけたのが、洋書の『The Night Before Christmas and other classocs 』(2018, dependently published )

A collection of Classic Christmas Stories and Poetry. THE NIGHT BEFORE CHRISTMAS.THE NIGHT AFTER CHRISTMAS. SANTA CLAUS DOES NOT FORGET.THE FAIRY CHRISTMAS. THE BALL GAME.CHRISTMAS DAY. THE DOLLS' CHRISTMAS PARTY.GRANDMA'S CHRISTMAS GIFTS. MAMA'S HAPPY CHRISTMAS. THE CHRISTMAS CAROL OF THE BIRDS. A TURKEY FOR ONE. LITTLE CHRISTMAS CAROLLERS. WHAT HAPPENED CHRISTMAS EVE. SUSY'S CHRISTMAS PRESENT.SANTA CLAUS'S LETTER. A RAGGED CHRISTMAS FEAST.

Img_0001_new しかしこれ、表紙を見て可愛らしいイラスト満載と期待したら、中面は文字だけでイラスト、挿絵の類はいっさいなしでした(;ω;)
 英語が堪能なら、いろいろなクリスマスの詩が楽しめたのでしょうが、私はだめで……残念です。

こういうときは、ビンテージのレトロなものに慰めてもらおう。

 お話も読めるディズニーの1970年のレコード A DISNEYLAND RECIRD AND BOOK The Story Of " THE NIGHT BEFORE CHRISTMAS"

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2018年12月23日 (日)

3年かかった『小さなおいのりのたび』

51fqdxt9apl__ac_us200_ ロイス・ロック著、アリソン・ジェイ絵、内田みずえ訳『小さなおいのりのたび』(2006年、いのちのことば社)

 2015年のクリスマス本特集でアリソン・ジェイの本 をご紹介したのだが、この本が書店から届くのが遅れ、2015年のクリスマスが終わってしまった。本が届いた後も、なかなか読む時間が作れず、なんと3年たってしまいました。改めて、ここでご紹介。

やさしいことばでいのれる160のおいのり。ひとつひとつの小さなおいのりが、みなさんのたすけになりますように。

 本の紹介が遅れたのは、この本が今までご紹介してきた絵本などとちょっと違った種類の本で、どう紹介するばよいのか戸惑ったことも一因となっている。17センチ×15センチの小型の可愛らしい本だが、224ページのしっかりとしたハードカバー。すべてのページにアリソン・ジェイの美しいカラーイラストが掲載されている。
 原題"A Child's First Book of Prayers"は、「子どものための最初のお祈りの本」と訳せばよいのだろうか。当然、クリスチャンの家庭の子どものために作られた本のようだが、宗教を超えて、人の普遍的な祈りの言葉として読むこともできる。聖書の言葉だけでなく、「古くから伝えられてきた祈り」「作者のわからない祈り」の言葉もある。
 美しい本に書かれている祈りの言葉に触れるということが、慰めだ。クリスマスにふさわしい本だと思う。

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書き足していきます。

 クリスマスイブを前にして、今年はどんな本をご紹介しようかと考えていたのですが、その前に、2015年、2017年と、画像データを貼り付けたまま更新していなかったり、下書きのまま放置状態だったりするページのことが気になりだしました。

 だらしないなぁ……。

 少しずつですが、書き足していきたいと思います。

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2018年12月22日 (土)

市川里美のクリスマス絵本3

61wy0kn55el__sx405_bo1204203200_ もう1冊の市川里美の3冊目のクリスマス絵本は、 『お祭りにいけなかったもみの木』(2013年、偕成社)。こちらは絵だけではなく、お話もフランス語で市川が書き、1999年に『La rove de  Noël 』のタイトルでパリで出版している。邦訳は角野栄子。

 もうすぐクリスマス。森のもみの木たちは、お祭りにきるドレスのことで夢中です。でも、いちばん小さいもみの木はなかまはずれ。もみの木たちは車でお祭りにゆき、のこされた小さいもみの木は年よりの木とはげましあいながら、森でクリスマスをむかえます。そして…。ひっそりとあたたかいクリスマスの話。

 クリスマスのもみの木を主人公にした絵本はたくさんある。有名なアンデルセンの『モミの木 』をはじめ、このクリスマス本特集でもたくさんご紹介してきた。中でも私が好きなのは2016年『もみの木のねがい』、2009年『とりのクリスマスツリー』『森のクリスマスツリー』幸せなモミの木』『わたしクリスマスツリーなどだが、市川里美の『お祭りになったもみの木』は、そうしたたくさんのクリスマスツリーのお話から、いろいろな要素が集まり、そのエッセンスを集めた上質の絵本といえるだろう。

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2018年12月21日 (金)

市川里美のクリスマス絵本2

51xvyqrhcjl__sx298_bo1204203200__2 『メリークリスマス』のほかにも、市川里美のクリスマス絵本をご紹介。『ようこそクリスマス 』(2006年、講談社)。

 ベストセラー『ずっと いっしょ』の作者がおくる、クリスマスのお話ねぇパパ、読んで! お父さんに読んでほしいクリスマス絵本
 おおきなくまと、ちいさなくまの、くりすますのいちにち。その愛情ぶかいやりとりの中にあたたかい時間がながれます。

 大きなお父さんクマと小さな子クマは、朝起きて着替えをしてから、夜眠るまで、ずっといっしょにクリスマスの準備。粉だらけになってクッキーを焼いたり、ツリーの飾りつけをしたり、雪投げしたり、子クマはいつも「ぼく、ひとりででくるよ」と言ってやんちゃぶりを発揮するけれど、お父さんクマはそれを温かく見守り、いつも「よしよし……」と言って、けっして否定したりしないし、叱ったりしない。ただ一度、クリスマスプレゼントを包んでいるときに「見せて!」と子クマが言ったときだけは、決して見せなかったけれど。
 お父さんクマに甘える子クマの安心しきった表情と、大きな体と大きな心で包み込むように見守るお父さんクマの慈悲深い表情。子クマが眠りに落ちるところなど、こちらもお父さんクマに抱かれて温かくトロンと眠くなってしまいそう……。
 ぜひ、ぜひ、世のお父さん方に読んでいただきたい。きっと子育ての発見がいろいろとあるはず。
 最後のページには、ツリーの下にお父さんクマが子クマに見せないで置いておいたクリスマスプレゼントが置かれている。明日の朝、子クマはどんなに喜ぶことだろう。ページを閉じるとき、こちらまで微笑んでしまうような幸せな絵本。

 本書は、市川里美の絵、マリアン・クスマノ・ラヴの文、森山京の訳のトリオで作った、『ずーっと いっしょ』の続編になる。

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2018年12月20日 (木)

『メリークリスマス 世界の子どものクリスマス』

51o6taleqjl__sx372_bo1204203200_  今年の復刻版の新刊、最後にご紹介するのは、懐かしい市川里美の『メリークリスマス 世界の子どものクリスマス』。

世界の国では、こどもたちはどうやってクリスマスをお祝いしているのでしょう。 18の国の風習をはじめ、讃美歌、ケーキやクッキーなどのレシピを紹介しています。

市川里美
岐阜県大垣市生まれ。1971年、旅行で訪れたパリにそのまま移住。その後独学で絵を学ぶ。『春のうたがきこえる』(偕成社)で講談社出版文化賞絵本賞、『はしって!アレン』(偕成社)で第28回サンケイ児童文化賞美術賞など、受賞多数

 旅行でパリを訪れそのまま移住し、独学で絵を学んで素晴らしい絵本を描く……市川さん、かっこいいなぁ。世界中で出版された絵本は70冊を超えていて、今でも毎年新刊を刊行している。淡い色彩、優しく繊細なタッチで描かれた美しい絵本は、読んだことはなくても、書店の店頭などで見かけただけの人が、かなり多いのではないだろうか。

 『メリークリスマス 世界の子どものクリスマス』は、1983年に冨山房から出版されているが、35年ぶりにBL出版から復刻版が出た。
 文はロンドン在住のR.B.ウィルソン、訳はさくまゆみこ。絵本だけれども、文章が多く72ページもある。とても読みやすい文と内容で、語りかけるような優しい文体は子どもはもちろん、大人にとっても読み甲斐がある。

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2018年12月17日 (月)

クリスマスの女の子

51lqqvxb1l__sx355_bo1204203200_  再び、今年の新刊だけれども、復刻版の『クリスマスの女の子 (2018年、徳間書店)

「クリスマスには、みんな、男の子か女の子がもらえるんだよ」クリスマスイブ、おもちゃ屋にならんだ人形のホリーは、ほかのおもちゃたちといっしょに、持ち主になってくれる子どもを待ちのぞんでいました。一生懸命お祈りすれば、きっとねがいがかなうと信じて。いっぽう、身寄りのない子どもがくらす家で、六歳の女の子アイビーは、ホリーのおもちゃ屋さんにやってきます。そして…? ゴッデンの幼年童話を、挿絵と挿画を新たに復刊します。

 著者のルーマー・ゴッテン(1907-1998年)は、第1回のクリスマス本特集で『クリスマス人形のねがい (2001年、岩波書店)をご紹介しているが、『人形の家 (2000年、岩波少年文庫)、『帰ってきた船乗り人形 』(2007年、徳間書店)など、人形をテーマにした作品が多い。今年の新刊『クリスマスの女の子』は、1989年に福武書店から出版された久慈美貴訳『クリスマスの女の子 』が最初の翻訳だが、これが2001年に掛川恭子訳『クリスマス人形のねがい』となり、今回は再び久慈美貴の訳で復刻された。

 原作は1957年に書かれているが、翻訳版だけでも繰り返し出版を重ねているのは、やはりゴッデンの原作に、クリスマスや人形に対する普遍的なテーマがこめられているからだろう。

 表紙絵や挿画は、『クリスマス人形のねがい』ではバーバラ・クーニーが担当したが、今回の人形のホリーが描かれた可愛らしい表紙絵や中面の挿画を担当したたかおゆうこは、2012年にご紹介した『クリスマスのりんご 』の絵も担当している。

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2018年12月16日 (日)

クリスマスのあかり チェコのイブのできごと

51iccaxvpal__sx407_bo1204203200_ もう1冊、今年のできたてほやほや新刊絵本から、『クリスマスのあかり チェコのイブのできごと(2018年、福音館書店)

 クリスマスプレゼント配るのは、サンタクロースだけでしょうか――いいえ。チェコでは、クリスマスイブに、不思議なことがおこります。ろうそくに火を灯して、家族でクリスマスの料理を囲んでいると、チリンチリン……、小さなベルの音が聞こえてきます。子どもたちは「あっ、小さなイエスさまだ!」と、クリスマスツリーのある部屋にとんでいきます。ツリーの下を見てびっくり!そこには、たくさんのプレゼントがならんでいるのです。そう、ここでは、幼子イエスさまが「みんなにプレゼントを届けるのです。小さなイエスさまは、子どもたちのほしいものを、ちゃんと知っています。「はやくクリスマスにならないかな」チェコの子どもたちは、12月になると、アドベントカレンダーのとびらを、毎日一つずつあけて、その日を待ちます。これは、そんなふうにクリスマスを楽しみに待っていた、ある男の子のお話です。

 チェコは絵本好きにとってあこがれの国。戦後、厳しい時代を乗り越えてきた国。この絵本にも、共産主義時代の苦難が、しっかりと描かれています。
 小さな男の子フランタが、ベツレヘムから運んだろうそくの明かりが灯る、家の前の広場にある教会から、この明かりを持ち帰る小さな旅の中で、イエス様を礼た東方の3人の王様が体験したのと負けないような貴重な体験。
 人を思いやる心がクリスマススピリッツとして、幼い人の心に小さな灯となって受け継がれている……そんな思いが伝わるお話です。

 著者のレンカ・ロジノフスカーは1972年、チェコ生まれ。児童文学作家。パラツキー大学教育学部でチェコ語と公教育を専攻し、現在は高校教師もつとめる。
 『クリスマスのあかり』が、最初の邦訳となる。

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2018年12月15日 (土)

どんぐりクリスマス

 それにしても、今年の新刊は復刻版がとても多いのです。良い本が時を越えて受け継がれていくのは素晴らしいことだけど、やはりオリジナルの新刊が少ないのは残念。
 少し古い本が続いてしまったので、貴重なオリジナル絵本の新刊をご紹介します。

51bmxrkz8bl__sx431_bo1204203200_ 『どんぐりクリスマス

   公園で、ポケットいっぱいにひろったどんぐりやまつぼっくり…きみは、どうしてる?おつかいのとちゅうで見つけたムクロジ山でひろったクルミやへんてこな木のえだ…ずっとずっとだいじなたからもの。あきの日ざしをたっぷりあびたちゃいろのどんぐりや木の実たちは、あかやみどりのクリスマスカラーにも、よくにあいます。どんぐりもクリスマスも大すき!だから、自然の手ざわりをたのしんでさあ、みんなで、メリー・クリスマス!おとなといっしょにつくるなら3歳から、ひとりでつくるなら小学生から。

 最初にネット書店で表紙をみたときは、毎年クリスマスイブにご紹介しているムーアの「The Night Before Christmas」をどんぐりで表現した絵本かなと思った。ところが、実物を手にしてびっくり! なんと、これはどんぐりを使った様々なクリスマス・クラフトを、きれいなイラストと写真で紹介する本でした。

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2018年12月12日 (水)

星のひとみ

41yumzp0qwl__sy362_bo1204203200_ 新刊といっても、復刻版や類似本のご紹介になってしまったが、もう1冊だけ復刻版のご紹介を。

 2010年にご紹介したトベリウス原作の『ほしのひとみ 』が、『星のひとみ (KADIKAWA、2018年)のタイトルで復刻された。

せなけいこ幻の原画が復活!美しい冬の物語
クリスマスの前夜、そりから落ち雪の上に放り出された小さな少女。じっと夜空を見上げる少女のひとみに、星の輝きがやどります――。
『フィンランドのアンデルセン」とよばれるトペリウスの名作童話。
絵本作家・せなけいこの幻の原画と、作家・石井睦美の文章でよみがえります。
フィンランドの大自然を舞台にした、神秘的で美しい物語です。

 2013年に『クリスマスったらクリスマス』『くりすますのおばけ 』などをご紹介した、せなけいこの“幻の原画”が復活とあるのだが、絵本の奥付に「この本は、スライド作品として制作された原画に、新たに文章を加え、絵本化したものです。」という、一文があるだけで、これだけでは詳細はわからない。

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2018年12月11日 (火)

THE REINDEER BOOK

Img_3 SHAPE BOOKをもう1冊ご紹介。

 『the Santa Claus book』と同じ1965年にGolden Pressから出版された『The Reindees Book』。サンタクロースの橇を引くトナカイの本――表紙を見てそう思ったのだが、トナカイというより、クリスマスイブにトナカイの橇にプレゼントを積んで配るサンタクロースの絵本といったほうがよいかもしれない。
 リチャード・スキャリーも有名な『赤鼻のトナカイ 』の絵をLittle Golden Booksで描いているが、この絵本のトナカイは太い線画がアニメ調のルドルフより力強く、北欧的な雰囲気のトナカイだ。全体に暗褐色のクリスマスの深夜を思わせる色調の中、サンタの衣装やトナカイの橇や手綱の赤が鮮やかに引き立っている。線画の絵は幼い印象となってしまうこともあるが、この絵の場合は、どっしりとした落ち着きや存在感を持たせていて、逆に大人っぽい印象がある。
 
 作者は絵本の扉にBy Aurelius Battagliaとあるだけで、どういう人かよくわからなかった。Amazonで検索してみると、洋書を数冊出していて、英文だが短いプロフィールがあった。

AURELIUS BATTAGLIA (1910-1984) was an animator who worked for Walt Disney Studios from 1937 to 1941, and contributed most notably to Dumbo, Fantasia, and Pinocchio.

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2018年12月10日 (月)

ぼくたちのプレゼントはどこ?

51yjouqhxl_2 1946年発行の少女雑誌など、古色蒼然とした本が続いたので、気分を変えて、今年の新刊から「古くて新しい絵本?」のご紹介を。

 ここ数年、クリスマスシーズンにはデュアポザンの『クリスマスの森 』のように、原作の出版から数十年の時を経て初めて翻訳出版された絵本がある。
 今年はリチャード・スキャリーの『Christmas Mice』が53年ぶりに木坂涼の訳により『ぼくたちの プレゼントは どこ?』(好学社、2018年)のタイトルで出版された。

 きょうはクリスマス。朝いちばんにおきてきたのは2匹のねずみくんたち。さっそくサンタさんがおいていってくれたプレゼントをのぞきこんでいるよ。
 クリスマスのわくわく感、プレゼントをもらううれしさがつまった楽しい絵本。ちいさなお子様にぴったり!各ページにでてくるネズミくんさがしをしたり、次々に登場するプレゼントから好きなものを選んだり、コミュニケーションをたのしみながら、読んでみてください。

 『Christmas Mice』は、Little Golden Booksの幼児向きのボートブックLittle Golden Treasuresとして2004年に出版されているが、原作となる絵本は1965年に『The Santa Claus Book』としてGolden Booksから出版されている。

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2018年12月 9日 (日)

ワイルドスミスの"Blue Bird"

Aoitori_0003 今年ご紹介する青い鳥の最後は、Brian Wildsmithの"Blue Bird"だ。これは洋書版だが、現在は絶版のようだ。翻訳版は1982年にらくだ書店から『メーテルリンクのあおいとり』が出版されているが、こちらも絶版。「日本の古書店」で検索してもない。幸い、図書館にあったので予約した。詳細は少々お待ちください。

 ブライアン・ワイルドスミス(Brian Wildsmith 1930-2016年)はイギリスの絵本作家。ロンドン大学芸術学部卒で数学と音楽の教職についた後、画家に転向。数多くの作品が翻訳されているので、日本でも人気が高く、伊東にワイルドスミス絵本美術館があるのだが、現在は休館が続いているのが残念だ。

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2018年12月 8日 (土)

『青い鳥』いろいろ

 過去2回にわたって『青い鳥』を紹介しているので、この作品の詳細については、そちらでご覧ください。今回は、私の手元にある古い『青い鳥』をご紹介。

Aoitori_0004 母国ベルギーを占領したナチス・ドイツを批判してアメリカに亡命したメーテルリンク(1862-1949)は、ドイツの同盟国日本に版権を渡さないよう遺言しているのだが、戦前からの「青い鳥」贔屓の日本では、戦後すぐから抄訳や2次創作の『青い鳥』が数多く出版されている。版権など気にもとめていなかったのか……。

 私の持っている一番古い「青い鳥」は、1947年12月発行の少女雑誌「ひまわり」11月12月合併号に掲載された3ページの抄訳(川口繁訳)である。
 「ひまわり」は画家の中原淳一が、戦後の女性に夢と希望を与え、賢く美しい女性になってほしいとの理想を掲げて、戦後まもない1947年に創刊した少女雑誌。当時の10代の少女から絶大な人気を博し、1984年には国書刊行会から復刻版も刊行されている。

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2018年12月 7日 (金)

まだありました!人形絵本『あおいとり』

Aoitori 飯沢匡・土方重巳コンビの人形絵本のクリスマス本はもう出尽くした……『まっちうりの少女』でそう思っていたら、まだありました。メーテルリンクの『あおいとり』。

 『青い鳥』は、このクリスマス本特集でも2006年2013年に何冊か紹介しているが、『くるみ割り人形』とともにクリスマスの定番のお話として、たくさんの絵本や児童書が出版されている。ファンタジックで幻想的なシーンが多いので、絵本にはぴったりの題材だから、それぞれの絵本の絵を見ているだけでも楽しい。

 全38冊作られたトッパンの人形絵本シリーズの中でも、この『あおいとり』の描いた世界観はとびきりファンタジックで謎めいている。何しろ哲学的長編小説を14ページ7場面の絵本にまとめたのだから、超・超訳だ。
 例によって、裏表紙の「「おかあさま方へ」で、飯沢はこう書いている。

 これは、ベルギーの劇詩人メーテルリンクの名作です。
 青い鳥が人間の幸福を意味することは、すでにご承知と思いますが、この詩人は様々な象徴的手法で、人生の哲学をたくみに、豊かな幻想的場面で具体化しています。
 子どもには、少々むずかしいので、今回はもっぱら美しい夢のような展開のおもしろさを強調いたしました。
 ぜひ一度、原作をお読みになることをおすすめします。

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2018年12月 6日 (木)

人形絵本『まっちうりの少女』

The_little_match_girl_2 飯沢・土方コンビの人形絵本でクリスマスをテーマにしたものはもう出尽くしたと思っていたが、1冊残っていた。アンデルセンの『まっちうりの少女』。
 2016年の第1回のクリスマス本特集では、いわさきちひろの『マッチうりの少女』など4冊 を紹介した。クリスマスのお話ではなく大晦日のお話の「マッチ売りの少女」が、なぜクリスマス本なのか、私はこんなことを書いている。

このお話をクリスマス本に入れたのは、やはり大きな美しいクリスマス・ツリーが、クリスマスの幸せの象徴として描かれているからだ。そして、キレイに飾られたツリーやケーキやプレゼントに囲まれ、家族や友だちと楽しいクリスマスを過ごす子どももいれば、あのマッチ売りの少女のように、飢えと寒さに泣いている小さな子どもが、クリスマスの日にも地球のどこかにいることを、忘れないため……なのです。

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2018年12月 3日 (月)

見つけてしまった!「サトちゃんのクリスマス」

41ukwtsagl__sx348_bo1204203200_ 私は古い人形絵本のコレクターなのだが、中でもNHKの人形劇「ブーフーウー」で知られる、飯沢匡と土方重巳のコンビが作り上げた人形絵本を集めることに熱中していた。トッパンの人形絵本シリーズやマイニチの人形絵本シリーズ、そしてアメリカをはじめ、世界各国に輸出された海外版の人形絵本……どれも素晴らしいクオリティで作られた人形絵本の数々は、今では希少で見つけることさえ難しく、やっとの思いで集めたコレクションは私の宝物である。

 作家の飯沢匡は著作も多く、その中にはエッセイも何冊かあるので、その業績や人となりに触れる機会も多いのだが、デザイナーの土方重巳は裏方に徹した人で、1986年に亡くなってからも久しく、もっともっと評価されてよいクリエイーターだと、長年、はがゆく思っていた。
 

Satochan その仕事の全貌を展示した初の展覧会「昔なつかし・昭和レトロ キャラクターデザインの先駆者 グラフィックデザイナー土方重巳の世界 展」が、現在、兵庫県の西宮市大谷記念美術館で12月9日まで開催されている。念願の展覧会に駆け付けた私が、そこで見つけてしまったのが、サンタクロースが象のサトちゃんを抱いている表紙の『サトちゃんブック2』(写真は NPO法人古き良き文化を継承する会による同展覧会の図録「土方重巳の世界 」200ページより引用)

 飯沢・土方コンビによる人形絵本のクリスマス本は『サンタのおじさんきてくれた 』『クリスマスのよる 』『BABY'S SANTA MAUSE』『三びきのこぶたのクリスマス 』などをご紹介してきたが、もうこれ以上、彼らのクリスマス本はないと思っていた。だが、あったのだ!

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2018年12月 1日 (土)

13回目のクリスマス本特集

 The Spirit of Christamas is Peace,
 The Joy of Christmas is Hope,
 The Heart of Chrisitas is Love.

 今年で13回目となるクリスマス本特集のシーズンがやってきました。なかなか思うように更新できないブログですが、1冊でも多く、子k路に残るクリスマス本をご紹介できますように……。
 毎年、新刊絵本を中心にご紹介していますが、ここ数年、古いクリスマス本でご紹介できないままになっている本がたくさんあります。今年はそうした本からご紹介していこうと思っています。

  1. 2006年のクリスマス本は、こちらでどうぞ。
  2. 2007年のクリスマス本は、こちらでどうぞ。
  3. 2008年のクリスマス本は、こちらでどうぞ。
  4. 2009年のクリスマス本は、こちらでどうぞ。
  5. 2010年のクリスマス本は、こちらでどうぞ。
  6. 2011年のクリスマス本は、こちらでどうぞ。
  7. 2012年のクリスマス本は、こちらでどうぞ
  8. 2013年のクリスマス本は、こちらでどうぞ
  9. 2014年のクリスマス本は、こちらでどうぞ
  10. 2015年のクリスマス本は、こちらでどうぞ
  11. 2016年のクリスマス本は、こちらでどうぞ。
  12. 2017年のクリスマス本は、こちらでどうぞ

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2017年12月25日 (月)

ジングルベル おひざにおいで

51m8zbvvh3l__sx419_bo1204203200_ 2017年クリスマス本特集の最後にご紹介するのは、みんなが知っているクリスマスソングの歌詞が絵本になった『ジングルベル 』(2017年、PHP研究所)。

♪ジングルベルの歌詞が絵本になった! かわいいイラストと心地の良い優しい文章が、クリスマスを楽しく盛り上げてくれます!
「ゆきを けり のやま こえて」くまの親子が、そりをはしらせます。おとうさんぐまは、「すべりゆく かるい そり! 」と歌いながら、雪の上をすべっていきます。「うたごえも たからかに」こぐまたちも、おとうさんぐまと一緒に歌いました。途中で、うさぎやこぶた、こねこ、アライグマ、アシカ、こいぬ、ダチョウも歌いながらそりにのってきました。「こころも いさむよ そりの あそび! ジングルベル ジングルベル すずが なる! きょうも たのしい そりの あそび オー! 」さらにすべっていくと、突然「おぅい、とまってくれ! 」という声がしました。一体だれでしょう…⁉

 キャサリン・N・36724982デイリー作、J.P.ミラー絵、こみやゆう訳の『ジングルベル』は、今年初めて翻訳出版されたが、原作はアメリカのドラッグストアの店頭などで買える廉価な子ども向けの本「リトル・ゴールデンブックス」シリーズの古典的な絵本だ。リトル・ゴールデン・ブックスは1942年に創刊され、現在もランダムハウス社から刊行されている。
 この『JINGLE BELLS』は1964年が初版で、53年も経ってようやく日本でも翻訳されたわけだ。歌曲のほうは原作よりもさらに古く、1857年にボストンの牧師ジェームズ・ロード・ビアボンドが、教会の感謝祭で歌うために作詞作曲したといわれている。

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2017年12月24日 (日)

The Night Before Christmas 2冊の三角形本

 『サンタへの手紙 Dear Santa』の序章「サンタクロースの起源」では、聖ニコラスに起源を遡るサンタクロースの伝説から、17世紀のオランダ人移民によるアメリカでのサンタクロースの誕生などコンパクトにまとめられています。中でも、アメリカのクリスマスの伝統の形成に強い影響を与えたのは、やはりクレメント・クラーク・ムーアの詩「The Night Before Christmas」であるとしています。

51n6atx6zl__sl500_sx354_bo120420320 今年もクリスマスイブには、ムーアの詩による絵本をご紹介。しかも、今までに見たこともないような三角形の飛び出す絵本!

サンタクロースがきたばんに 』(1993年、大日本絵画)には、本当にびっくり!! 三角形の本なんて生まれて初めて見ました。版元の大日本絵画は、数多くのムーアの詩による飛び出し絵本を出版しているけれど、三角形はほかにはないのでは?

 なぜ、三角形なのか、その理由はわからないのだが、絵本を机の上に平らに置いてページをめくると、いつもの飛び出す絵本より、その飛び出し感に迫力のある感じがしないでもない……。
 机の上に立ててみたら、少しだけ、上部の三角のとんがり部分のおかげで遠近法が活かされているような、いないような……

41u3jm0arl__sx306_bo1204203200_ 作者のキース・モアビーク(Kees Moerbeek)について調べたけれど、詳しいプロフィールがわからない。絵本にも書いていない。Amazonの洋書で検索すると、著作はとても多いのだが、やはりプロフィールが載っていない。一番古い出版が1986年で現在も活躍しているようだから、ベテランの飛び出す絵本職人みたい。ほとんどの本が飛び出す絵本で、クリスマスをテーマにした三角本は、『サンタさんやめて! Oh No, Santa !(1992年、大日本絵画)があり、こちらはお話もモアビーク。翻訳は2冊ともきたむらまさお
 クリスマスにツリーを用意するのを忘れたサンタが森に木を取りにいくと、木ごとに動物が住んでいて、「木を切るのは、やめて!」と言われてしまい……こちらはいろいろな木から、動物や鳥が飛び出してくるのだが、なかなか迫力がある。

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2017年12月23日 (土)

サンタへの手紙

51hmwrgqkml__sx356_bo1204203200__2 1870年から1920年までにアメリカやオーストラリアに住む子どもたちが実際にサンタクロースへ書いた手紙を集めたものが、『サンタへの手紙 Dear Santa 』だ。

1870年から1920年に、新聞社に集められた、子供たちによって書かれた、サンタクロースへの手紙のアンソロジー。当時の時代背景や子供へのギフトのトレンドを垣間見ながら、くすっと笑ったり、ほんわか心が温まったり・・・。大人も子供も楽しめる、すてきな1冊。ギフト感あふれるお洒落な装丁で、クリスマスプレゼントとしてもぴったりです。

 2006年のクリスマス本特集でご紹介した『ファーザー・クリスマス サンタクロースからの手紙 』は、作家のトールキンが自分の子どもたちのためにサンタクロースになりきって書いた手紙を1冊の本にしたもの。両方を読み比べるのも面白い。

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2017年12月22日 (金)

パディントンのクリスマス

616xiie0ull__sx486_bo1204203200_パディントンのクリスマス(2017年、理論社)

もうすぐクリスマス。クマのパディントンは、デパートでわくわくのイベントがあることを知り、ブラウン家のみんなと出かけることにしました。さあ、どんな一日になるでしょう。愛すべきクマのパディントンのほっこりするお話。        

出版社からのコメント

 1956年のクリスマス・イヴに、著者・マイケル・ボンドは妻のブレンダへクリスマス・プレゼントとして小さなクマのぬいぐるみを贈りました。それがパディントン。その記念すべき「クリスマス」が舞台のお話の絵本が誕生しました。家族の距離がいちばん近づく冬のこの時期に、こどもも大人もいっしょに楽しんでほしいおはなしです。著者は残念ながら2017年6月27日に91歳で亡くなりましたが、世界中のファンとともに作品は生き続けます。

 著者の518rm4b9jvl__sx350_bo1204203200_イケル・ボンドは今年亡くなってしまったが、パディントンは2018年に生誕60年を迎え、映画も大ヒット。「くまのパディントン」シリーズは30か国以上、童話、絵本、その他も含めると3000万部以上が出版されているとか。出版社の言うとおり、作品は生き続けていくのでしょう。

 ただ、この絵本のR.W.アリーの描いたパディントン、ちょっといつもとタッチが違う気が……多くの人におなじみのパディントンは、1967年に童話として最初に出版された『くまのパディントン (1967年、福音館書店)の挿絵を描いたペギー・フォートナムではないだろうか? パディントンシリーズの第2作『パディントンのクリスマス (1968年、福音館書店)の表紙や挿絵も、フォートナムが担当している。

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2017年12月21日 (木)

テオのふしぎなクリスマス

61tagkipwcl__sx387_bo1204203200_ 日本の絵本だけでなく、イギリスの絵本にも、クリスマスイブに両親が仕事で留守の、ひとりぼっちの男の子を描いたものがあった。しかも同じく今年の新刊(原作も翻訳も同時刊行)で、キャサリン・ランデル文、エミリー・サットン絵、越智典子訳『テオのふしぎなクリスマス 』。

今夜は、クリスマスイブです。なのに、テオのおとうさんとおかあさんは、いつものように仕事で留守。ベビーシッターは、テオをほったらかしていねむりをしています。ひとりぼっちのテオは、窓の外をながめて、流れ星にいのりました。だれか、いっしょにいてください!すると、ツリーの上で、古ぼけたクリスマスのかざりが動きだし…。テオとクリスマスのかざりたちとの、一夜の冒険がはじまったのです。

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2017年12月20日 (水)

クリスマスがちかづくと

519pklmqwql__sx372_bo1204203200_ 続いて日本人作家による児童書。56ページと決して長くはないけれど、物語同様、成長を遂げる少年のように、ハードカバーのしっかりした体裁。
 文は詩人の斉藤倫、絵くりはらたかしによる『クリスマスがちかづくと』。

セロはクリスマスが大嫌い。クリスマスはいつも、おとうさんもおかあさんも家にいないから。おかあさんはデパートの仕事がいそがしくて留守だし、おとうさんは、毎年冬が近づくと、家を空けがちになり、クリスマスの日は、どこかにでかけたまま帰ってこないのです。10歳になったセロは、おかあさんに思い切ってきいてみます。「どうして、おとうさんはクリスマスがちかづくと、家に帰ってこなくなるの?」。おかあさんの答えは驚くようなものでした。そのにわかには受け入れがたいおとうさんの秘密を通して、セロは、それまでそれが全てだと思っていた、自分だけの小さな閉じた世界と隣り合わせに、たくさんの世界があることを知ります。そして、彼の小さな閉じた世界は、そのいろんな世界に向かって開かれ、おおきく広がっていきます。この小さな男の子の物語には、さびしさも楽しさもあたたかさも、あらゆるクリスマスのイメージがつまっています。

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2017年12月19日 (火)

くませんせいがねているうちに

61i0vkfirgl__sx379_bo1204203200_ 日本人作家による新刊は、すとうあさえ文、たかくわこうじ絵『くませんせいがねているうちに』。

森のほいくえんは、冬のあいだお休みです。
くませんせいが眠っているからです。
くませんせいがクリスマスのお祝いをしたことがない、と聞いたこどもたち。くませんせいと一緒にクリスマスをしようと準備をはじめますが…。

 お話も絵も、とっても素朴で可愛らしくて、レトロで懐かしい……とにかく安心、安定の1冊。幼い日に見た夢のような、心の故郷を覗いたかのような、好感度100%、昭和な絵本でした

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2017年12月18日 (月)

アグ・ヤトコフスカのめくりしかけえほん2冊

61dpkvqlul__sx258_bo1204203200__2 今年の新刊から、小さな子ども向けの仕掛け絵本のご紹介。バリー・ティムス文、アグ・ジャッコウシュカ絵、ゆりよう子訳『サンタともりのなかまたち

クリスマスイブの朝、サンタさんから手紙をもらった森のみんなはサンタさんの家へ行ってお手伝い。お菓子を作ったり、プレゼントの包装をしたりして、クリスマスの準備をしていきます。

 サンタさんからの手紙や森の仲間たちが手伝うプレゼント作り、くまさんの家でのパーティなどのページに、それぞれ仕掛けが隠れている。手紙を開けたり、隠れているフラップを見つけてめくったり、単純な仕掛けに、明るく華やかな色彩、丸くて可愛らしい動物と、小さな子どもが好きな要素がいっぱい!

 仕掛け絵本なので、やはりイラストのほうに注目してしまう。Ag Jatkowskaについてプロフィールを調べたのだが、情報は少ない。ポーランド生まれの女性で、グダニスクの美術アカデミーを卒業し、グリーティングカードや文房具のデザイナーやイラスレーター、写真家として働き、現在はイギリスのバース在住。洋書ではた数多くのクリスマス絵本や動物絵本を描いている。ひさかたチャイルドから刊行された本書では、アグ・ジャッコウシュカと表記している。
 登場するサンタさんや動物たちは、それほど表情に変化がなく、服装もシンプルだけど、色使いが鮮やかで楽しい。その背景となるミルク色の雪景色や、いろいろな緑色を使いわけて描いた森の木々などに見入ってしまう。
 一番好きなのはサンタさんの家の台所で、レトロなデザインの冷蔵庫や食器、鍋類などに目が行く。さすがに女性作家ならではの細やかな視点を感じる。
 最後のページはくまさんの家でのパーティーシーン。唯一の飛び出す仕掛けで、見開きなのでゴージャス。クリスマス気分を一気に盛り上げてくれる。でも、私のお気に入りはAg Jatkowskaのもう1冊の仕掛け絵本『クリスマスのたからさがし』の、やはり最後の飛び出す仕掛けなんです……!

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2017年12月17日 (日)

どこ? クリスマスのさがしもの

61vielqskql__sx445_bo1204203200_ 今年のクリスマス絵本の新刊は例年にないくらい、かくれんぼ絵本、迷路絵本やしかけ絵本の類いが多いのだが、中でも見事なジオラマで楽しませてくれるのが、 『どこ? クリスマスのさがしもの 』。

きょうはうれしいクリスマス。ペンギンの親子は、プレゼントのおかいものにでかけます。おもちゃ屋さん、洋服屋さん、家具屋さん、本屋さん、フルーツショップ、ケーキ屋さん、クリスマスマーケット……。
楽しいおかいもののはずが、たいへん! ペンギンのぼうやが、まいごになってしまいました! ぶじにおかあさんとクリスマスの夜をむかえられるのでしょうか?

 作者の山形明美は造形作家。「どこ?」シリーズは2003年刊行の『どこ? つきよのばんのさがしもの』など7冊の絵本があり、『どこ? クリスマスのさがしもの』は8冊目。
 “かくれんぼ絵本”は2010年にご紹介した『ミッケ!クリスマス』や間違い探しの『どこどこセブン<2>クリスマス 』などがあるが、いずれも既成のクリスマスグッズをたくさん並べ、その中から探しもをするのだが、本書は山形が作成したジオラマの中から課題のクリスマスグッズを探すというもの。

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